

12月7日、日曜日、明海大学浦安キャンパスにおいて、指導者セミナー、〜ドイツからの学び、再び〜 「これからの子どもたちのサッカーをみんなで考える」を開催いたしました。
浦安市と市川市をはじめ、千葉県・東京都・神奈川県・茨城県、遠くは富山県からお越しいただいた、サッカーで育成に携わる22名のみなさんとともに、深く熱く学びました。
11月のセーフガーディング入門に続いて、今年度2回目の指導者セミナーです。


最初のパートは、市川市サッカー協会4種委員会技術部の田中成志さんに、「私たちはドイツで何を学んできたか」というテーマで問題提起をしていただきました。
市川市サッカー協会4種委員会では、1995年から継続して、市川トレセン(市川FC)の子どもたちと指導者がドイツ遠征を行っています。市川市の少年サッカーの礎を築かれた、故佐藤菊弥さんの想い「子どもたちに本物のサッカーに触れてもらう」からスタート、2004年には市川市とローゼンハイム市がパートナーシップを締結し、当地での交流活動を軸に実施されています。
2025年8月3日から10日まで、23名の小学生がミュンヘンとローゼンハイムで、TRM、交流活動、サッカー観戦、観光を行いました。



田中さんからの投げかけは、主に9対9のトレーニングマッチやミニ大会を行ったときに感じたこと。「勝ったり負けたりだったが、気付いたのは、サッカーのスキルは市川の子どもたちの方が上回っていても、ゲームではいつの間にか数的優位を作られてしまう。特に指導者が声を張り上げている訳でなく、子どもたちが自然に適切なポジションをとって、自分で判断してプレーをしている。この差はどこで生まれたのか。それを乗り越えるにはどうすれば良いか。子どもたちの成長のために、我々がすべきことは何か」。



次のパートでは、田中成志さんに、中野吉之伴さん、池上正さんを加えたお三方で、田中さんの投げかけに対して、フリーセッションを行いました。
中野吉之伴さんの来浦は、今年1月から2度目。ドイツで活動されている中野さんが、帰国して日本で活動されるタイミングでお越しいただいています。育成大国と言われているドイツでは、子どもたちはどのようなサッカーをしているか。それはなぜで、どのような枠組みで行われているのか、熱く語っていただきました。
池上正さんと浦安のお付き合いは長く、2002年、池上さんがJEFユナイテッド市原の育成スタッフに就任されたときから始まりました。以来、今日までこのようなセミナーや実際の指導を通じて、浦安のサッカーに大きな影響を与えてもらっています。今回も、浦安と市川でこんなことをやったらどうですか、とボールを投げていただきました。
「サッカーにはセオリーがある。ボールを奪ったら、相手がポジションに戻る前にゴールを目指す。ボールは中心から左右に振ることで相手の陣形を崩せる、ポジションがずれたら、それを狙って攻撃する。守備はこの反対。それが連続するのがサッカー。これをプレーヤ―が知っているかどうか、これを前提にトレーニングしているか。」
「日本でのトレーニングは、ある要素だけ切り出して、それに必要なスキルを向上させるというものが多い。そのため、相手がいることを想定していない、動きながらプレーしない、そもそもゲームではそういう場面がないということが起こる。一方ドイツや欧州のクラブのトレーニングは、ゲームで起こること、仲間と相手がいることを想定してトレーニングを行うので、自然にゲームの中で判断ができるようになる。」
「自主的、自発的、主体的はそれぞれ意味合いが異なる。自主的というのは、決められていることを自らやることで、外発的な行動。自発的というのは、やりたいからやるので内発的。主体的というのは、自分の責任、判断でやるべきことをやる。」
「主体的にプレーするといっても、指導者がそういった瞬間に主体的ではなくなる。主体性が目的ではなく、子どもたちの成長のために主体性がある。」
「コーチングの重要なファクターはコミュニケーション。子どもたちはなぜそういうプレーをするか、何を思っているか、指導者が理解しているか。子どもたちは指導者の言っていることがわかっているか。命令ではなく、わかるように話しているか。それがコミュニケーション。」



最後のパートは、4名くらいのグループをつくって、今回の内容について、自由に話してもらいました。地域や担当するカテゴリー、所属するクラブの違いを超えて、みなさんが想うことを共有します。
グループワークの内容を発表いただくとともに、参加者の方からの質問や意見、これはどうしたら良いのかというこをまで、参加者のみなさんとパネラーのみなさんでセッションしました。

1回のセミナーで、すぐに子どもたちのサッカーが変わる訳はありません。日本協会や都道府県協会が主催していたり、枠組みを決めていることを、地域協会が勝手に変えることも難しいのが現状です。それでも、地域でできること、自分たちの責任で変えられることを、私たちは探っていきます。
今年1月のセミナーで中野さんがおっしゃった、「育成には終わりはない、これだけやれば良いということはない。なぜなら子どもを取り巻く環境は常に変わっていて、子どもたちも毎年変わっていく。」ということを意識して、みなさんで連携して取り組んでいきましょう。
浦安市サッカー協会では、これまで取り組んできた、インクルーシブフットボール(障がい者スポ―ツ・ウォーキングフットボール・普段サッカーをしていない方へのアプローチ)、セーフガーディング、指導者セミナーについて、2026年度はさらにブラッシュアップします。子どもたちの育成、指導者はじめ人材の育成、すべての人がサッカーを楽しめる参加できる枠組み。「私たちの約束」の実現に向けて、みなさんと共に取り組んでいきます。
最後に池上正さん、田中成志さんからのメッセージを紹介します。
池上正さん「皆さんお疲れ様でした。浦安の皆さんにはお世話になりました。田中さん今度は市川でお会いできることを楽しみにしています。浦安が、さらに子どもたちが楽しくいつまでもスポーツを続けていける街になるようにご活躍を!」
田中成志さん「ありがとうございました。中野さんと池上さんのお話はどれも心に染み込むものばかりで、また自分自身の財産になりました。こんな機会を作っていただいた浦安サッカー協会の方々に感謝いたします。本当にありがとうございました。」
